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*「絶対たる力」を求めて* 始まりと出会い
著:六道来飛
降りしきる雪の中、一つの国が滅びた

他の衰退していった国々とは違い強固な守りと自然地形によって
1000年もの間栄えてきた国だった

吹雪により外界との連絡を絶たれたその国は
伝承の記述「魔族」によって襲われたのだ

魔族――金属の肉体と体に流れる冷たい水銀の血を持つ異世界からの住人

1000年前このファルガイアの地を訪れ支配しようとした古の存在
ファルガイアを守るべく戦った物達によって地下深くに封印されたはずだった…

その魔族が復活したのだ
この国にある「繭」を求めて…その力は語り聞く以上のものだった

そうして「アークティカ国」は一夜にして滅びた

唯一、仲間の犠牲によって生き残った人物も、力尽き、冷たい雪にその身を委ねていた
アークティカの強固な守り「フェンリルナイツ」が一人
ヴァンブレイス(篭手)の名を与えられた青年

雪は国も青年も静かに飲み込んでいった―――




気が付くとそこは洞窟の中だった

外ではまだ激しく雪が降り続いている
最後に感じたのは雪の温かさではなかったか?
そんな事を思いながら身体を起す

「やっとお目覚めかい?」

不意に近くで声がした
辺りを見回すが人影らしきものは見当たらない

ふと、自分の懐に気配を感じた…
見ると「ねずみ」が顔をだしている

「ねずみが?まさかな…」

にしても何故ねずみが…そう思っていると第二声が聞こえた

「失礼な…オイラをそこら辺のねずみと一緒にしないでくれる?」

間違いない…「ねずみ」が喋ったのだ
聞くと「ねずみ」は「カゼネズミ」と言う亜精霊の一種らしい

「亜精霊といえば主人(マスター)を持ってるんじゃないのか?
俺をここへ運んだのはその主人か?」と問うと

ねずみは意外そうな顔をした

「へぇ…オイラ達の事、知っているんだ。
エルゥや魔族と一緒に1000年前からほとんど姿を消しているのに」

それもそのはず…元々希少だった種が魔族との大戦以来
緩やかに汚染されていくファルガイアの大地を捨て
独自の魔導技術によって新天地へと旅立ったエルゥ達と共にこの地を離れていったのだ

だからこそこの時代にその姿を見る者はほとんどいなかった
なのにこの青年は亜精霊の生活形態を知っていたのだ

「昔の事に詳しい国だったからな…」

アークティカはその長い歴史により、記述として書かれる事が無かった
様々な事が語り継がれていたのだ
仮にもフェンリルナイツを称するこの青年も知識として、その伝承を継いできたのだ

「アークティカの人間かい?こんな日に外へ出るなんて自殺行為も良いトコだよ
オイラが通りかかったから良かったものの…」

「お前が俺を助けたのか?どうして放っておいてくれなかったんだ!!
帰る国も無い…団長も他のみんなも…アイツだって居ない
俺だけが生き残ってどうしろって言うんだ…」

助けられたのがよりによって「亜精霊」だった事に苛立ちを覚えた

所詮自分は無力でしか無いのか?
悪夢が蘇る…いや夢では無い。現実だったのだ
アイツの声が今でも耳に残っているのに…

『この事を世界に伝えるんだ!』

そう言って俺をあの城から脱出させた…自分を犠牲にして
あの時も自分の力では何も出来なかった。そして今も…

「アークティカで何かあったのかい?オイラ人を捜しにあそこへ行こうと思ってたんだけど…」

カゼネズミが少し遠慮気味に聞いてきた

先程の彼の態度から触れてはいけない事かも知れない
この青年の状態と先程の言葉から察するにアークティカが襲撃を受け
滅ぼされたと考えて間違いないだろう

ただ、他国よりも長い歴史と強固たる守りに手を出すものが何だったのか?
興味を禁じ得ないのだ

今のファルガイアにはアークティカを凌ぐ戦力など無いに等しい
考えたくは無かったが…

この不安を解消するには現場に居た彼に事情を説明してもらうしかない
彼の言葉を待つ

青年も言ったところで誰も信じないと思っていた
今や昔話としてしか語られる事が無い魔族の存在など…

だが相手は「亜精霊」
魔族と1000年前に対峙している唯一の存在だ

「…あんたなら信じてもらえるかな?
いや、あんたには分かっているはずだ…何があったかなんて」

分かっていても自分の口から告げなくては…アイツが犠牲になった意味が無い
もっとも世界に伝える事などするつもりは無いが
誰かに伝えなければアイツの言葉を裏切る事になる

「魔族…だ。奴等が復活した!」

それはカゼネズミにとっても予想通りの…聞きたくない答だった

だが何故魔族はアークティカを襲ったのか?
1000年前の侵略時には一度に全土への襲撃を行なったのに…
1000年前に比べ、人々の信仰を失ったガーディアンの力は弱まり
高度な技術を持つエルゥも居ない…

今なら容易くファルガイア全土を手中に出来るはずなのに

「復活といってもまだ限られた数だけなんだろうね…
これから力を蓄えるか…あるいは他の仲間の復活を――まっまさか!!」

一人ごちていたカゼネズミが突然大声を上げた

彼らは長命故に先の大戦の事もしっているはずだ
カゼネズミが何か知っているなら、魔族の今後の出方も予想が付く
いつ完全復活を果たしてファルガイア全土を地獄絵図にするか…
それまでに魔族に立ち向かう力…「絶対たる力」を手にしておく必要がある

そう思ってカゼネズミの言葉に耳を傾けていた青年は突然の大声に驚いた

「なっ…何だ?まさか明日にはもうファルガイア全土に奇襲をかけるんじゃないだろうな?」

だとすれば復讐どころでは無い
今から取って返して攻め込むしか…たとえそれが無駄だと分かっていても
だがカゼネズミは別の質問で返してきた

「それより魔族は何か狙っていなかったかい?…例えば大きな塊みたいな何か―――」

「塊?…アークティカの地下に眠る『繭』の事か?」

そういえばあの魔族は『繭』の使い方を知っている様だった
『ニンゲンたちには意味の無いもの』とも…

「やっぱり…おそらくそれは魔族の女王の身体だよ
奴ら女王の復活と同時にファルガイアを侵略するつもりなんだ
最も今は心臓が3つに分けられ、ガーディアンによって封印されているから
すぐには無理だろうけどね」

さすがは亜精霊である。当時の者でしか知り得ない事を知っている

魔族の復活には時間を要する事が分かったのだ
その間に「絶対たる力」を身に付ければ復讐という名の下に
魔族を葬り去る事が出来るだろう

だがそれはあまりにも漠然としたものだ

「なぁ…あんたファルガイアの遺跡には詳しいか?」

自分一人では短時間にファルガイアを探索する事など不可能に近い
効率良く探索するには遺跡を調べれば手がかりぐらいは掴めるだろう

自分はまだ世界の広さを知らない

だが、このカゼネズミは少なくとも1000年もの間
この地を旅しているはずだ
癪だがこのカゼネズミの力を借りなければ「絶対たる力」へ辿りつけないだろう

「そりゃあ長い間この土地を旅しているから知ってるけれど…
今では渡り鳥たちの方が詳しいかもよ」

「それでも良い。あらかたの場所さえ教えてくれれば…」

今は何かをしていないと悲しみと自分の無力さを思い出してしまう

何かをしないと過去に捕らわれてしまう
何もかも失った今、過去をも捨ててしまわなければ
自分だけが生き残った事に耐える事など出来ない
振り返る事は許されないのだ

その為にも前へ進むしかない

「教えるのは良いけど、条件としてオイラも連れて行く事
当事者として魔族の行動が気になるからね」

こうして一人の青年と一匹のカゼネズミの旅が始まる




「あんた…じゃ悪いな。名前は?」

「オイラは『ハンペン』古い言葉で竜巻って意味があるんだ。
で?そっちは何て呼べば良いのかな?」

「…ザック……ザック・ヴァン・ブレイスだ」

失うものなど何もない…
帰る場所も…名前も…そして愛する者さえ失った今では…

だが忘れる事がないよう自分に与えられた名前を抱いて行こう
復讐が終わるその日まで

今回はずっと書きたかったネタ、ザックとハンペンの出逢い編なんですが…設定がだいぶ違う事に気がつきました(爆)
書き直す気力がないです…トホホ
書き方も失敗してますね…なんだか読みにくいし何を書きたかったのか…うーん難しいです
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